理事長 飯泉孝司
3・11原発事故では、福島県をはじめ、東日本の多くの里地里山が放射能汚染の被害を受けました。
すでに、3年余りが経過しましたが、いまだに多くの人々と家畜、多くの自然界の生命が傷つき苦しんでいます。
私たち原木しいたけ生産者及び関連団体関係者は、きのこ・ホダ木の放射能汚染、コナラ・クヌギなど里山の立木原木が汚染されてしまったために、苦闘の毎日を送っています。
なによりも「きのこ」を愛し食する多くの消費者が放射能汚染の不安から地産きのこの購入を控えている状況について心の痛みを禁じえません。
原木しいたけ生産においては、いまだに出荷制限地域は多く、生活基盤が成り立たずに廃業せざるをえなかった仲間たちもおります。
また、生産を続けることが可能な環境があっても風評被害が大きく、東日本の原木しいたけ栽培そのものが、なくなってしまうのではないかという瀬戸際に追い込まれています。
このまま里地里山を放置し続け、森林の除染が進まなければ、森林から住宅地へ放射性物質の移動が懸念されるだけではなく、原木しいたけ栽培や木質バイオマス資源産業などの中山間地の有力産業も消滅する可能性があります。
また、放置林が拡大すれば、ナラ枯れ病の蔓延を一段と加速させ、里地里山の荒廃はますます深刻なものとなって、美しい日本の原風景である里地里山の環境と文化が根底から覆させられてしまう恐れすらあります。
人間の暮らしと自然林の共生が創りだした里山の再生をめざし、今、新たな行動を起こさなければ、次世代へ、住みやすい里地里山の環境を継承することは不可能ではないかと考えております。
里山で15年~25年の歳月をかけて育ったコナラ、クヌギなどの幹・枝を伐り出して原木とし、私たちはしいたけを生産します。
伐採した木々は萌芽更新によって若返らせることが出来ます。
こうして、元気に再成長する木々は二酸化炭素を旺盛に吸収して炭素を固定し、地球の温暖化を抑制し、新鮮な大気を生み出し、同時に、多様な生物の生息圏づくりにも貢献します。
伐って、育ててこそ持続的な里山の生態系循環が生み出されるのです。
「東日本原木しいたけ協議会」はこれまでにも数々の課題に取り組んで来ましたが、美味しく、安全な、
滋養の高い原木しいたけを消費者の皆さんにこれからも供給し続けるためには、次のステップとして、原木のふるさとである里地里山の再生に取り組むことが必要であることを痛感しました。
しかし、里山の除染、環境保全などを行うには、多大なコストや人的資源が必要となり、任意団体では限界があります。
幸いにも、我々の活動に賛同していただける関係者も多くおられます。
この際、原木しいたけ生産者だけでなく、広くその方々の意思も含めて、社会的にも認知されるNPO法人として、活動を進めていくことが大事なのではないかと考えるに至りました。
「NPO法人里山再生と食の安全を考える会」を設立し、里地里山の再生、食の安全に関して、積極的に活動を推進していく決意を表明します。
平成26年3月1日
NPO法人里山再生と食の安全を考える会
理事長 飯泉孝司
2021/09/25 | 2021年度 第1回 里山保全活動を行いました。 |
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2021/09/18 | 2021年度通常総会 書面決議により議案が可決されました。 |
2017/09/10 | 平成29年度里山保全事業実施計画書が出来ました! 興味のある方は事務局へご連絡ください。 |
2017/09/09 | 平成29年度通常総会行いました。 |
2015/11/02 | 2015年10月17日下刈作業を行いました。 |